幡多地域の家づくりの教科書
住宅会社ではあまり話されない、
幡多地域で後悔しない家づくりの話
はじめに
私は、高知市で建築・不動産・リフォーム業に携わってきました。そして、幡多地域へ来て2年になります。同じ高知県ですが、仕事をしていると高知市と幡多地域では家づくりに大きな違いがあることに気付きました。最初はとまどいました。そして仕事を続ける中で、その違いが少しずつ見えてきました。私が感じた違いをランキングにすると、このようになります。
第1位 住宅価格の違い
第2位 土地価格の違い
第3位 家の広さの違い
第4位 幡多地域と高知市の家づくりの考え方の違い
そして、この第1位が、この教科書を書くきっかけになりました。土地は幡多地域の方が安い。建物の広さも、ほぼ同じ。それなのに、家づくりの総額は幡多地域の方が高い。
「なぜだろう?」
その疑問からこの教科書は始まります。
四万十市で現在販売されている建売住宅8件の平均価格・平均土地面積・平均建坪を算出し、その条件に近い高知市の中価格帯の新築建売住宅を比較しています。
まさかの結果・・(笑)なぜ? 家のグレード・建坪はほぼ同じなのに、土地代が安い幡多地域のほうが最終的に高くなる。
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第1章 これから家づくりを始める皆さんへ
家づくりを始める前に、私が皆さんに一番知ってほしいことがあります。
それは、家づくりは「建てること」よりも、まず
「知ること」
が大切だということです。
なぜでしょうか?
「私達、業者は家を売りたいから」
です。
そしてお客様は、一生に一度の家づくりに夢や希望で熱量が上がっています。そんな状態時に何も知らないと、私達、業者の提案をそのまま正解だと思ってしまうことがあります。
夢や希望を持つことは、とても素敵なことです。だからこそ、家づくりでは「知ること」が大切になります。
では、何を知れば良いのでしょうか。私は、家づくりでは知っておいてほしいことが、いくつかあると考えています。
例えば、
・家づくりの考え方
・お金の考え方
・家の性能
・住宅業界の見方
など、様々です。
そして何より大切なのは、
「自分達に本当に必要な家とは何か」
これを考えることです。
この教科書では、私が高知市と幡多地域で仕事をする中で感じたことや、お客様に知っていただきたいことを、一つずつお伝えしていきます。
第2章 業者を喜ばせない購入
皆さんは、家を購入する時、誰を一番喜ばせたいですか?もちろん、ご家族ですよね。でも、家づくりでは気付かないうちに、
「業者を喜ばせる購入」
になってしまうことがあります。
家づくりには、
・それぞれのご家族の暮らしがあります。
・それぞれの生活スタイルがあります。
・それぞれの予算があります。
・そして、それぞれの将来設計があります。
本来、家づくりは、その暮らしや将来設計から考え始めるものです。しかし、一生に一度の家づくりが始まると、多くの方は少しずつ最初の計画が見えなくなってしまいます。
「この設備も付けませんか?」
「こちらの仕様の方が人気ですよ」
「今ならサービスでお付けできます」
そんな提案を受けると
「せっかくだから」
「今だけなら」
そう思ってしまうのは、とても自然なことです。気が付けば、当初考えていた予算や暮らしよりも
「住宅会社から提案された家づくり」
になってしまうことがあります。もちろん、提案そのものが悪いわけではありません。私も住宅会社の人間ですから、ご提案はします。
しかし、その提案が
「本当にご家族に必要なものなのか」
それとも
「あったら良いものなのか」
ここを一度立ち止まって考えていただきたいのです。
私は、家づくりで一番大切なのは、最初にご家族で決めた目的を忘れないこと。だと思っています。その軸がブレなければ、結果として、私達、業者を喜ばせる購入ではなく、ご家族を喜ばせる購入になります。
第3章 どんな家にしたいですか?
皆さんは、どんな家にしたいですか?
・オシャレな家ですか?
・リビングの広い家ですか?
・駐車スペースが広い家ですか?
・二階建てですか?
・それとも平屋ですか?
どれも素敵です。どれも、ご家族の暮らしを考えた大切な答えだと思います。でも、私は一つだけ、どんなご家族にも共通して外せないものがあると考えています。それは、
「子どもと家族の命を守る家」です。
家づくりに正解は一つではありません。ご家族によって暮らし方は違います。生活スタイルも違います。予算も違います。将来の計画も違います。だからこそ、家の形や間取りに正解はありません。しかし、
「命を守ることだけは、どのご家族にも共通して大切なこと」
ではないでしょうか。
私は、オシャレな家も、広い家も、高性能な家も、その先にある本当の目的は、
「大切なご家族が安心して暮らせること」
だと思っています。だから私は、家づくりで一番大切なのは、
「子どもと家族の命を守ること」
だと考えています。
では、私が考える「子どもと家族の命を守る家」とは、どんな家でしょうか。それは、
・地震に強いこと。
・火災に強いこと。
・幡多地域の気候や環境に合った家であること。
・一年を通して快適に暮らせること。
・ご家族の生活スタイルに合った家であること。
・そして、無理のない資金計画で、建てた後も安心して暮らし続けられること。
私は、それら全てを含めて、「子どもと家族の命を守る家」だと考えています。
私は、「どんな家を建てるか」その前に、「どんな暮らしを守りたいのか」それを考えることが、家づくりの出発点だと思っています。
第4章 私達、業界の魔法の言葉
私達、住宅業界には
「魔法の言葉」と「魔法の見せ方」
があります。
お客さんが家づくりを始めると、私達はたくさんの「魔法」を使います。その言葉を聞くと、「そういうものなのだ」「やっぱり家は高い方が安心」「早く、契約した方がお得」そんなふうに、人は疑うことなく信じてしまいます。
もちろん、すべてが間違いだと言いたいわけではありません。その言葉を深く考えずに信じてしまうと、
「業者を喜ばせる購入」
につながることもあります。でも、その魔法は本当に令和の今も必要なのでしょうか?
この章では、住宅業界でよく使われる「魔法の言葉」を一つずつ解いていきます。
4-1 昭和から今も残る「安かろう悪かろう」の魔法
「安かろう悪かろう」
皆さんも、一度は聞いたことがある言葉ではないでしょうか。私も、子どもの頃から何度も耳にしてきました。そして、この魔法の言葉は、住宅業界でも今なお使われています。
確かに昭和の時代には、商品や施工の品質に大きな差があり、
「安い物は、品質も悪い」
そんな時代もあったと思います。
しかし、令和の今はどうでしょうか。情報も、技術も、流通も、住宅の評価や検査の仕組みも、昭和とは比べものにならないほど進化しました。それでも、
「安かろう悪かろう」
という考え方は、今も残っています。私は、地方へ行けば行くほど、この考え方が強く残っているように感じています。
なぜでしょうか。
私は、この価値観が世代を超えて受け継がれてきたからだと思っています。おじいちゃん世代から、親世代へ。親世代から、今の家づくり世代へ、
「家は高い方が安心」
「安い家は危ない」
そんな考え方が、昔から当たり前のように伝わってきました。
そして、
「私達、業者にとっても、この言葉は非常に効果の高い魔法」です。
家は、一生に一度あるかないかの大きな買い物です。
そこで、
「安い家は危ないですよ」
と言われると、多くの方は、
「やっぱり家は高い方が安心なのだ」
という考えになります。そして、そこで納得してしまいます。
本当にその価格に価値があるのか。
自分達に本当に必要なものなのか。
ほかに選択肢はないのか。
そうした大切なことを考える前に、「高い方が安心」という結論だけが残ってしまいます。
これが、この「魔法の本当の力」です。
しかし、本当に令和の今も、
「安い家=悪い家」
でしょうか。
全国には、中価格帯でありながら、耐震性能や断熱性能、保証などをしっかり備えた住宅を、適正価格で提供している住宅会社が数多くあります。
なぜ、それができるのでしょうか。
私は、会社の考え方の違いだと思っています。
「どうすれば、より高く売れるか」
を考えるのか。それとも、
「どうすれば、より良い家を適正価格で、一人でも多くのお客様へ届けられるか」
を考えるのか。
その会社の想いは、商品にも、価格にも、提案にも表れます。
また現在では、耐震性能や断熱性能について、第三者機関による評価や確認を受ける仕組みがあります。使われる建材や設備にも、それぞれ一定の基準があります。
もちろん、同じ等級であれば、すべての家がまったく同じという意味ではありません。施工や提案、保証など、会社による違いはあります。
しかし少なくとも、
「安いから性能が悪い」
と一言で片付けられる時代ではないと私は考えています。
私は、ここに住宅業界の大きな責任があると思っています。
「安かろう悪かろう」
という言葉だけでお客様を不安にさせるのではなく、
なぜ、その価格なのか。
どんな性能なのか。
どんな材料を使っているのか。
どんな保証があるのか。
その価格に、どんな価値が含まれているのか。
そこまで細かく説明することが、私達、建築会社の責任ではないでしょうか。
高い家には、高い理由があります。その理由を細部まで説明でき、お客様が納得して選ばれるのであれば、それは立派な価値です。
しかし、「安い家は悪いですよ。」「安い家は値段レベルです」という漠然とした言葉だけで終わるのであれば、私は違うと思っています。そして、これは業者だけの問題ではありません。
私は、お客様にもお願いしたいことがあります。それは、
「家づくりについて知ること」です。
知らなければ、業者の言うことがすべて正解になります。知れば、その説明に根拠があるのか。その価格に納得できる価値があるのか。自分達に本当に必要な家なのか。自分自身で判断できるようになります。
だから私は、この教科書の冒頭で、高知市と四万十市の住宅価格を比較しました。
土地代は四万十市の方が安い。けれど、家が建つと四万十市の方が高くなる。ほぼ同じ土地面積。ほぼ同じ建坪。ほぼ同じグレード(私が調べた限りでは高知市のほうがグレード高いです)
おかしくないですか?(笑)私は、この数字を見た時、「何かがおかしい。」そう感じました。私は、安い家を勧めたいわけではありません。高い家を否定したいわけでもありません。
私がお伝えしたいのは、
「安いか、高いか」ではなく、
「なぜ、その価格なのか」ということです。
最後に、あえてハッキリ言います。
「安かろう悪かろう」という考え方は、もう古い。
4-2 「地元密着」という魔法の言葉
「地元密着」
住宅会社のホームページやチラシを見ると、よく目にする言葉です。この言葉を聞くと、皆さんはどんなイメージを持つでしょうか。
「安心できそう」
「地元だから信用できそう」
そんなイメージを持たれる方も多いと思います。実は、これも住宅業界でよく使われる魔法の言葉です。「地元密着です」その一言だけで、不思議と親近感が湧きます。そして、
「地元だから安心」
という信用のフィルターまでかかってしまいます。もちろん、私は「地元密着」という言葉が悪いと言いたいわけではありません。しかし私は、この言葉にはもっと大きな責任があると思っています。では、本当の地元密着とは何でしょうか。私は、会社が地元にあることではないと思っています。創業年数でもありません。地域のお祭りへ参加することでもありません。(笑)
本当の地元密着とは、
「地域のお客様のために何ができるのかを考え、実行し続けること」
私はそう考えています。地方で家づくりをする以上、都市部と比べると運搬費や物流コスト、人件費など、どうしても余分な経費がかかることがあります。それは事実です。しかし、
「地方だから仕方ない」
で終わらせてしまうと、その負担は、すべてお客様へいきます。私は、それでは本当の地元密着とは言えないと思っています。
本当の地域密着とは、
「地方だからこそ、お客様の負担を少しでも減らすにはどうしたらいいのか」
それを考え続けることではないでしょうか。仕入れを見直す。業務を改善する。無駄なコストを減らす。もっと良い商品を探す。より良い家を適正価格で届けられるよう工夫する。
そうした企業努力を積み重ねること。そして、家を建てて終わりではなく、点検やメンテナンスを通じて長くお付き合いしていくこと。私は、それこそが本当の地元密着だと思っています。
だから私は、「私達は地元密着です」とは言いません。その言葉は、会社が自分で言うものではなく、お客様から、「○○さんって、本当に地域密着ですね」そう言っていただいて初めて価値が生まれる言葉だと思っているからです。
私は、「地元密着」という言葉を売りたいのではありません。
「地元密着という言葉に責任を持ちたい」
そう考えています。
最後に、一つだけお伝えしたいことがあります。
「地元密着」という言葉だけを信じるのではなく、その会社が、地域のお客様のために何を考え、何を改善し、何を実行しているのか。そこを見ていただきたいと思っています。それが見えてくると、その会社が本当にお客様ファーストなのか、それとも業者ファーストなのか、きっと見えてくるはずです。
だから私は、家づくりは「知ること」から始まる。
そう思っています。
4-3 業界の「見せ方」という魔法 パート1
ここまでは、住宅業界でよく使われる「魔法の言葉」についてお話ししました。しかし、住宅業界にはもう一つ魔法があります。それは、「見せ方」です。
商品が悪いわけではありません。言葉が間違っているわけでもありません。しかし、見せ方一つで、お客様が受ける印象は大きく変わります。そんな話をします。例えば、住宅会社の広告を見ると、
「本体価格〇〇万円」
という表示をよく見かけます。この金額を見ると、「思ったより安い」そう感じる方も多いのではないでしょうか。しかし、ここで一つだけ知っておいていただきたいことがあります。本当に大切なのは、本体価格がいくらなのかではありません。その本体価格の中に、何が含まれているのか。ここです。
住宅会社によって
・照明
・給排水工事
・付帯工事
・仮設工事
・商材のグレード
・給湯器
・調理器機
・給水引込工事
・地盤調査費用
・地鎮祭
・建前時の業者さんへの弁当など
言い出すとまだまだ必要な費用あります(笑)。どこまでが標準仕様なのか。どこからがオプションなのか。その考え方は大きく違います。
つまり、
「本体価格だけでは、本当の比較はできません」
そして、よく聞かれるのが、
「坪単価はいくらですか?」
という質問です。坪単価も同じです。住宅会社によって計算方法も違えば、本体価格に含まれる内容も違います。
つまり、
「坪単価だけを比較しても、本当の比較にはなりません」
家づくりで比較するべきなのは、
「いくらなのか」
ではなく、
「その金額の中に何が入っているのか」
です。
さらに、家づくりには建物以外にも費用がかかります。(下記、は一般的に諸経費と伝える部分です)
・登記費用
・住宅ローン諸費用
・火災保険
・土地仲介時は仲介費用など
建物費用以外にも、さまざまな費用が必要になります。土地の有無や住宅ローン借入の条件などによって変わります。諸経費は建物費用とは別に、総額の10〜15%程度を目安として考えておくと安心です。だから私は、住宅会社へ行った時は、ぜひ三つの質問をしてみてください。
「この本体価格には何が含まれていますか?」
「オプションになるものは何ですか?」
「家づくり全体では、最終的にいくら必要になりますか?」
この三つを聞くだけで、家づくりの見え方は大きく変わります。だから百人力では、
「本体価格だけで家づくりのお話をすることはありません」
建物費用だけではなく、登記費用。住宅ローン諸費用。火災保険。外構工事。地鎮祭。建前時のお弁当や差し入れ。など家に携わる全てを入れて結果的に
「家づくり全体でいくら必要なのか」
という資金計画を、お客様と一緒に考えています。それは、家を建てることがゴールではないからです。
家を建てた後も、家族で旅行へ行きたい。子どもの教育費も必要です。車の買い替えもあるかもしれません。だから私達は、「家が建てられる予算」ではなく、
「家を建てた後も笑顔で暮らせる予算」
を一緒に考えたいと思っています。
最後に、一つだけ覚えておいていただきたいことがあります。本体価格はスタートの数字です。坪単価は比較の数字です。
しかし、お客様が実際に支払うのは、そのどちらでもありません。家づくり全体にかかる「総予算」です。
だから私は、
「いくらで建てられるか」
ではなく、
「家づくり全体でいくら必要なのか」
その視点で家づくりを考えていただきたいと思っています。
4-4 業界の「見せ方」という魔法 パート2
耐震等級3
最近では住宅会社のホームページやチラシでも、よく見かけるようになりました。しかし、「耐震等級3って何ですか?」と聞かれると、詳しく説明できる方は意外と少ないのではないでしょうか。
耐震等級とは、建物の地震に対する強さを表す基準です。その中で、
「耐震等級3は、現在の住宅で取得できる最高等級」
になります。消防署や警察署など、災害時に防災拠点となる建物にも求められる耐震性能です。
第3章でもお伝えしましたが、私は南海トラフ地震は必ず来ると考えています。だからこそ、百人力では耐震等級3を標準仕様にしています。しかし、私が本当に大切だと思っているのは、「耐震等級3」という言葉だけではありません。第三者機関による「住宅性能評価書」です。
住宅性能評価書とは、第三者機関が住宅の性能を評価し、その結果を書面として証明するものです。耐震性能だけではありません。断熱性能。劣化対策。維持管理対策。
その他にも様々な性能を、第三者の立場で評価してくれます。私は、家は見た目だけでは性能は分からないと思っています。だからこそ、第三者機関による評価には大きな意味があると考えています。
住宅会社の中には、
「耐震等級3相当」
という表現を使う会社もあります。
私は、この言葉が良い悪いと言いたいわけではありません。ただ、
「耐震等級3」と「耐震等級3相当」は同じ言葉ではありません。
だから私は、住宅会社へ行った時には、ぜひ二つだけ確認していただきたいと思っています。
「第三者機関の耐震等級3を取得していますか?」
そして、
「住宅性能評価書はありますか?」
この二つです。
その答えを聞けば、住宅会社の考え方や家づくりへの姿勢も見えてきます。私は、家族の命を守る家だからこそ、言葉だけで判断するのではなく、
「根拠を知った上で選んでいただきたい」
そう思っています。
4-5 「補助金」という魔法の言葉
「今なら○○万円の補助金が出ます」
住宅会社へ行くと、一度は耳にする言葉ではないでしょうか。私は、補助金制度そのものはとても良い制度だと思っています。
しかし、一つだけ気になることがあります。それは、「補助金をもらうこと」が家づくりの目的になってしまうことです。人は、「補助金がもらえる」と言われると、
「得をした」という気持ちになります。
しかし、その補助金を受けるために、本来は必要のなかった性能や設備を追加し、結果的に支払う金額が大きくなってしまうこともあります。
私は、補助金とは
「家づくりのロードマップに落ちているものを拾う」
そのくらいの考え方で良いと思っています。ご家族に本当に必要な家を考え、その結果として補助金が使えるのであれば活用する。逆に、補助金を取りに遠回りする家づくりは、結果として
「業者を喜ばせる購入」
になってしまうこともあります。
私は、
「補助金は家を選ぶ理由ではなく、家づくりを後押ししてくれる制度」
だと考えています。
だから百人力では、まずご家族に本当に必要な家を一緒に考えます。
そして、その家が補助金の対象になるのであれば、ありがたく活用する。それが、お客様ファーストの家づくりだと思っています。
第5章 家を買わない勇気
家づくりを始めると、土地を探し、住宅会社を回り、間取りを考え、少しずつ理想の家が形になっていきます。すると、
「家を建てたい」
という気持ちは、どんどん大きくなっていきます。
その結果、本来なら一度立ち止まって考えるべきことも、
「何とかなる」
と前に進んでしまうことがあります。
そして、もう一つ忘れてはいけないことがあります。
「私たち住宅会社は、家を売ることが仕事です」
そのため、お客さんの都合よりも、家づくりを前に進める提案が中心になりやすくなります。だからこそ、最後に判断するのは住宅会社ではなく、ご家族です。
例えば、
・ご夫婦で資金計画の考え方が違う。
・将来の家族計画がまだ決まっていない。
・転職や独立を考えている。
・親御さんの介護など、生活環境が大きく変わる可能性がある。
このように、
「時間をかけて答えを出すべき問題」
があるのであれば、焦って家づくりを進める必要はありません。
「家は、いつでも建てられます」
しかし、焦って建ててしまった家は、簡単には戻せません。
だから私は、
「今回の家づくりを保留にする」
それも、ご家族を守るための立派な決断だと思っています。家を建てる勇気も大切です。
でも、
「建てない勇気も、同じくらい大切です」
その選択が、ご家族にとってより良い未来につながるのであれば、私はその決断を心から応援したいと思っています。
最後に
私は高知市で家づくりに携わり、その後、幡多地域で家づくりをするようになりました。そこで感じたことがあります。それは、
「幡多地域には幡多地域ならではの魅力がある」
ということです。土地は比較的広く、価格も抑えられます。本来であれば、その魅力を活かしながら、家族が安心して暮らせる良い家を、適正な価格で建てられる地域だと思っています。だからこそ、この教科書を書きました。住宅会社にも、それぞれの考え方があります。家づくりに正解は一つではありません。
しかし、一つだけ言えることがあります。
「知ることで、家づくりは大きく変わります」
・知ることで、見える景色が変わります。
・知ることで、住宅会社を見る目も変わります。
そして何より、
「ご家族にとって本当に大切なものが見えてきます」
私は、
「どんな家を建てるか」
よりも、
「どんな暮らしを守りたいか」
そこから家づくりを考えることが、後悔しない家づくりにつながると信じています。
この教科書が、皆さんとご家族にとって、後悔しない家づくりの第一歩になれば幸いです。